レッスン、教室の特徴〜以前弾いた曲も大事に

以前書いたブログ「易しい、易しめの曲を数多く」の続きとなりますが、レッスンでは「易しい、易しめの曲」に加えて、「既に弾いたことのある曲」を折に触れて繰り返し弾いてみることもおすすめしております。

 

理由は「易しい、易しめの曲」と同様に、弾くことに負担がかからない曲の方がキープ奏法のコツを掴むのに適していることがまず一つ。そしてそれ以外にも主に以下の二つの理由がございます。

 

①現在の指のコンディションやキープ奏法ステップ2の成果を確認するため

②以前弾いた曲を思い出し、できればより良くしていくため

 

二つの理由のうち②に関しては一般的にもよく言われていることかと思いますので、今日は特に重視している①の理由について触れたいと思います。

 

キープ奏法のコツを掴むことで、まず音に統一感が生まれ音楽の流れを作りやすくなりますが、キープ奏法のステップ2を通常のピアノの練習に加えることで、少しずつ指にも変化が生まれ演奏の自由度が増してくると思います。この変化(指が強くなること)と言うのは中々言葉では表現しにくいのですが、普通に弾いていても以前より鍵盤が楽に下がるようになってくる、というような感覚のことで、続けていく根気は必要ですが自分自身の指の変化を少しずつ実感できますとステップ1、2が一種のルーティンとなり、楽しく、もしくはポジティブに感じられるのではと思います。(ステップ2は指を十分に使って打鍵した状態を保持する(手を膝の上に置く)のみです)。

 

このような指の成長具合を確認するためにも、弾くことに負担の掛かりにくい「易しい、易しめの曲」がおすすめですが、同様に以前弾いたことのある曲も今の自分自身の状態を把握するのに向いておりますし、練習やステップ2のトレーニングが順調に進んでいる時には、久しぶりに弾く曲が以前よりもいきなり良く弾けることさえあり、このような体験ができますとさらに良いサイクルでピアノと向き合うことができると思います。

 

また、生徒さんにおすすめしているだけではなく、もちろん私自身も指のコンディションやステップ2の成果の確認に日ごろから「易しい、易しめの曲」や「既に弾いたことのある曲」を使っておりますので、少しご紹介致します。

 

まだ実際にピアノを弾く前の段階の活動やプレ・リーディングの教本を除きますと、ピアノ導入用教本の最初の曲は鍵盤の真ん中のドードドドー、といった調子で始まる本が多いのですが、私は自分自身でもこのようなごく初歩と言われる段階の曲を弾くことがよくあります。単純な曲を音楽的に弾こうとすることは、指のコンディションの確認に好都合です。ただし、実はこのような「ド」だけの曲は左右の1の指(親指)のみで弾くことを指定されていることが多く、寧ろ既に難しかったりもします(というのも、ピアノにおいて1の指が演奏の足を引っ張ることはとても多く、ステップ2のトレーニングでも1の指の成長は特に鍵になる)。

 

上記のようなピアノ導入用教本などを一応「易しい」曲と呼んでおりますが、もう少し色々な感覚を確認したいときには、少しずつ曲の難易度を上げていき、今後ご紹介する予定ですが導入用教本の終わりからバッハ・インヴェンション辺りまでを繋ぐような段階の様々な曲集や、そして以前弾いたことのあるそれ以上の難易度の曲も弾きますが、この段階になるともう完全にコンサート用の曲と呼ばれる曲になってしまいますので、あえてここで触れる必要はないかと思います。

 

以上、随分話を発展させてしまいましたが、以前弾いた曲はそれで終わりではなく、折に触れて何度も繰り返すのがおすすめというお話でした。特に自分の指の感覚に良い意味での変化を感じた時は以前弾いた曲をまた弾いてみる絶好の機会ですので、是非試してみてください♪