レッスン、教室の特徴〜易しい、易しめの曲を数多く

レッスンでの選曲は生徒さんのご希望曲の優先が前提ですが、キープ奏法のコツの習得を一番の目標にされる場合には「易しい」、もしくは「易しめ」の曲を数多く弾いていくことをおすすめしております。また、あくまでもメインは弾いてみたい曲に取り組みつつ、「易しい」曲も並行して取り入れることもおすすめです。

 

なお、本番が近々控えている、音大、音高等の受験が近い等、時間、期間に余裕がない場合は、タッチ、奏法について考え過ぎることで演奏への迷いが生じてしまうことを避けるため、キープ奏法についてのお話は最小限に留め、生徒さんとコミュニケーションを取りつつ本番を見据えバランスをとったレッスンを心がけております。

 

さて、まず初めにここで言うところの「易しい」「易しめ」とは以下のニュアンスになります。

〇易しい曲→ピアノ導入用教本のような最も易しい分類に属する曲

〇易しめの曲→お一人お一人の感じ方により異なりますが、練習をしていてあまり苦にならない程度の労力、期間で、まずは一通り楽譜の音が押さえられる曲

 

上記の様な「易しい」「易しめ」の曲をおすすめしているのは、演奏上負担のかからない曲の方がタッチのキープに意識を集中し易いことが1番の理由です。「易しい」曲であってもタッチのキープのコツを完全に掴むことができますと、音数が多い難しい曲に移っても本質は一緒ですので、同じように応用できるようになります。次に曲数をこなしていく理由ですが、一つはキープ奏法のステップ1を試行錯誤中であっても「曲の譜読み」は問題なく実践可能なためです。これは、私自身が小さいころから弾いてきた曲数が少なすぎたために、譜読みが遅いという課題を抱えてきた体験にも基づいております。

 

そしてもう一つの理由として、特定の曲に集中して取り組んでいくことは、特に時間に余裕がある場合にはキープ奏法のステップ1、2のコツがある程度掴めてきてからの方が効果的と考えているということがあります。既に書きました通り、「易しい」「易しめ」の曲でしっかりとタッチのキープのコツが掴めますと、難しい曲になった場合でも少なくともタッチに関しては安心して取り組むことができますので、それだけでもかなり不要な労力の削減となります。

 

また、少し話は逸れますが、私自身が過去に特定の曲を長時間、長期間練習したり、練習曲等に取り組むというやり方だけでは行き詰ってしまったという体験があり、キープ奏法のステップ1、2を整理したことでようやくまた前に進めるようになったことも理由の一つです。この点に関しては、まだまだブログでも上手く書ききれていない部分が多いため、またいずれ取り上げてみたいと思います。